工房にて

ふたつの極細指輪

結婚指輪のかたち

マリッジリングをどこの指にするかでは国によってさまざまで、薬指に限らず中指の国もあれば. 右手の薬指もあり。どの指と決まっているわけでもありません。ドイツは右手の薬指に結婚指輪をはめますし、スペインもデンマークも右手です。西欧の約束事に反して、東洋系の外国人との国際結婚の人が、あえて中指にと結婚指輪をあつらえたり、宗教上も中指に着けたりする例もあり、必ずひだりの薬指という決まりごとはないのです。ネパールもロシアも右手にマリッジリングをします。ハンガリーも結婚指輪は右手なのですが、婚約指輪は左手の薬指という国もあります。
ふたりで決めてふたりのルールを設定すればよいのであって、宗教や慣習にがんじがらめに縛られる必要はありません。ましてや、婚約指輪は給料の何か月分などという業者の設定したコマーシャルにまどわされる必要もありません。当人同士で納得するかたちが一番なのですし、デザインもカラーもストーンもふたりらしく作ったり選んだりしてよいと思います。

More titanium ring

オリジナルの結婚指輪手作り編

小さな渋谷の工房からお互いに生みだされる温かみのある手作りのORIGINAL RING

結婚指輪を母から受け継ぐという考えと、新しく二人で出発するという考え。 婚約指輪=ダイヤモンドの大粒の高価なお品を受け継ぐというのはあり。 でも、マリッジリングとエンゲージリングでは意味合いが異なります。 一般的には本人どうしの意向で当人の気に入った結婚指輪を新しくあつらえるのが普通です。 お墓を受け継ぐというのはありますが、高価なゆえ、受け継ぐということであっても、結婚指輪を、新しく結婚する本人にあつらえることをさえぎって、古い指輪を本人の意向を無視して押しつけるということは成り立たないにせよ、想いいれを引き継ぐということはあると思います。ダイアナ妃のリングをキャサリン妃が受け継いだように。 サイズは同じ体格でも千差万別で、指輪を切って切断したものを再接合するのは縁を切る意味になり、忌み言葉同様嫌われます。永遠に続く象徴の「円」を切ってはいけないとされてはいても、あくまでもそうした考えは合わせことばのようなものととらえてみればよいことです。円が無限で最も純粋な象徴というのは、図像象徴として表現上のシンボルです。丸いかたちというのは、宇宙につながる天円の観念として、ビザンチンの丸天井や、サンマルコ寺院のドームにある丸天井に見出されますが、円と中心の神といった宗教的世界観からきていたものといえます。 婚約指輪のダイヤモンドを受け継いでリフォームするのが正しい受け継ぎ方。 おフルの指輪は受け継ぐという意味にはならないと思います。

ウェディングのための指輪

ひとつの指輪が出来上がるまでの工程

指輪の加工

プラチナの指輪はやわらかく、変形する結婚指輪も少なくないため、厚みをつけて頑丈にしなければならず、ずっしりとした装着感で重たいリングになります。真円=まん丸でいられるのは最初の1日。使えば指のゆがみに沿うことに。
一方チタンは軽く丈夫で強いため、変形はありません。 作ったときの造作も長持ち。プラチナのリングにどんなすばらしい細工を施しても美しいデザイン的な造作である凹凸は日々微量ずつ目減りしすりへって行くのに対し、チタンであればいつまでも目減りせずおうとつの彫刻も美しさを保ちます。 ー